(プロフィール)
 昭和サーティーズ世代。東京のぼんぼん育ち。小中学生の頃のあだ名は、石川五右衛門。ということで、高座名の濱の家真砂(はまのやまさご)とは、五右衛門の辞世「石川や濱の真砂は尽きるとも 世に盗人の種はつきまじ」から付けたということでございます。

 ガキの時分の世相と言えば、東海道新幹線開通、東京オリンピック開催、東名高速道路開通、大阪万博開催、アポロ月面着陸等々、イケイケ!どんどん常に右肩上がり!! このような未曾有の高度経済成長期が、人間形成の基礎となっちまいやした。よって、何につけ楽天的でバブリー! これからの厳しい社会を担うには、とても不向きな人材です。

 よって、落語という粋な世界で生きていくことに憧れております。落語によく出てくる御店(おたな)の道楽息子と同種。おなじみ「湯屋番」みたいなもんでして。

 あたくしの落語好きの背景はと申しますと、稀代、名人との誉も高い六代目三遊亭圓生師匠を聞いて物心つき、五代目三遊亭圓楽師匠で育ち、三代目古今亭志ん朝師匠を手本にしようなどということで、え〜、どうも不埒なこっていけやせん。ちなみに、春風亭小朝師匠とは高校が同じですが、師匠は私が入学した年にご卒業ですのでお会いしたことはございません。それがどうしたというお話でございます。

 とは言え、それでも高座も間近ともなりますってぇと、それなりに稽古をしておりやす。

 こんな自称素人落語家だなんという、本物の噺家様方からはお叱りを頂きそうなこと言っておりやすが、本業の方はって申しますってぇと、これが実にバタ臭い仕事をしておりやんす(バターと言ってもパティシエじゃござんせんが、あたくしどもの世界では落語好きが結構多うございます)。その反動でござんしょうか、こちらの世界が楽しくってしょうがありやせん。え〜、ちなみに、本業の職場は?って申しますと・・・。

 これが、なんと、キリスト教会の牧師なんです。いわば、西洋坊主でございます。牧師の落語家なんて取り合わせは、まるで回転寿司屋に流れているプリンアラモードみたいな感じでございましょうが、牧師は説教することが仕事ですので、落語の話術に興味を持つ者は結構多いのでございます。
 どうも、お後がよろしいようで。